牛王8号

特集 『大逆事件から100年』

7号に引き続き、本号はその第2弾をお届け致します。作家,研究者らの論説を中心に、瀬戸内寂聴さんの「中上健次の思い出」講演と、参議院議員会館における大逆事件100年後の意味を巡る参議院内集会の模様を合わせて収録。読み応えのある内容です。

また、本号より新たに”ときの風”という自由エッセイのコーナーと、ルポルタージュ欄,書評欄を追加しました。まだまだ発展途上の試みですが、今後厚みを増して行きます。乞うご期待。

例年のごとく、小説・論文も健在です。中上紀さんの作品も掲載されていますよ。是非お楽しみ下さい。

【特集 大逆事件から100年 第2弾】
くそったれ国家 早野透
菅野須賀子「針文字」書簡と楚人冠 田中伸尚
「大逆事件」との出会いと百年の仕事 山泉進
田山花袋『残雪』をめぐって 高澤秀次
世界史という大河に流れ込む大逆事件 和賀正樹
堺利彦・ふたたびの「熊野行」 辻本雄一
特攻と大逆事件 仙道秀雄
強烈な存在感~中上健次の思い出 瀬戸内寂聴
誰が沈黙を強いたか 森下光泰
大石誠之助について

バーバラ・

ハートリー

大逆事件は自作自演 太田勝
崎久保誓一さんの書庫 中田重顕
100年サミット 小村滋
「大逆事件」その後の被差別部落 守安敏司
大逆事件と朝鮮戦争 西村秀樹
玉置真吉 大逆事件周辺の人々2 山崎泰
大逆事件百年の意味 福島みずほ
<付録>  
参議院議員会館における大逆集会の模様  
特集の最後に 松本巌
大逆事件の思い出 沖野岩三郎
紀州のおふかさん (小説) 与謝野晶子
【ときの風】  
灼熱嫁 円成塔
今を生きる 石井泰四郎
ガンになった時 今吉愛子
いつか熊野で… 前田塁
目まいのする道行 佐藤康智
散歩好き たなかむつこ
アメリカの異教 森本剛史
黄色い花畑の夢 デロイ敦子
大逆事件と易・五行 林敏彦
ナカガミ風 山本隆造
古座街道をゆく 菱谷潤一
「南回帰線」のこと 松本俊治
ワールドダラーと円高 平美郷
西荻窪の三人灯 飛騨五郎
大逆事件と文学 鳥居吉治
駅伝 勝浦雄人
45歳の成人式 かわむらけんじ
我が内なるアメリカ 渡辺考
アニたちへ相談事 松尾子水樹
奇跡 岩富士バロン
駆け抜ける背中 稲山訓央
八太郎幻想 坂本智史
白文鳥 小田桐優子
タスマニア大学にて 石川真知子
手仕舞い 安部惠子
ハカナシアオムシ 芙和九義人
部屋と樹 木村文洋
おじさんのはなし 荒川和重
ハドたでる。 葛西晋也
窓の外側、手元の水 侍来弘樹
携帯に生えた苔 森嶋真樹
ふと 尾坂裕美
【論】  
もっと、たぶらかせ 和賀正樹
「選べる自由」と秋幸三部作 髙屋敷真人

【小説】

 
島たちの祝宴 中上紀
サンクチュアリ 岡田亨
つごもり 東輝彦
【ルポルタージュ】  
騒乱のバンコクでわしも考えた 森本祐司
不況時代 自己実現の行方 上條聡
釜ヶ崎点描2010 彷徨する労働者街 松原秀晃
アソシエーションを求めて 吉永剛志
町は誰のために? 嶋田智
【書評】  

『文学者たちの大逆事件と韓国併合』

            高澤秀次 著

唐澤るみ子
『シズコさん』     佐野葉子 著 たなかむつこ

『時代閉塞の現状 食うべき詩他十篇』

            石川啄木 著

押尾隆